エゾマツ

科目:マツ科 | 針葉樹
学名:[Picea jezoensis]


ezomatsu

産地

名前の通り蝦夷(現在の北海道)に主に分布しており、本州でも標高が高い山地などの一部地域で生育している。

特徴

樹高40m、胸高直径が1.5mにも達する大きな木で、名称はエゾマツであるが、分類上はトウヒ属に属する樹種である。非常に成長の遅い樹木の為、木材を得ると言う目的で植林される事は殆どないが蓄積量は多い木材だとされている。

乾燥は容易で特に注意する必要もなく乾燥させる事ができ、乾燥後も狂いの少ない安定した木材となる。
強度についてはヒノキと同等とも言われているが、硬さのない木材の為、磨耗が生じるような箇所での使用は避けたほうが良い。しかし、曲げに対する適正が高いので、曲げ加工などに向いている木材である。
切削加工は容易に行う事ができるが、カンナはかけづらい。
耐久性に関しては腐蝕しやすい傾向がある為、湿気の多い場所や直射日光を受けやすい場所での使用は控えるべきだと言える。

また、ロシアのシベリア東部、カムチャツカ半島などの地域からエゾマツと同種の木が輸入されているが、こちらも極寒のロシアで生育した事で年輪が狭く、品質の良い木材だと言われている。

気乾比重:0.45

用途

別名「北洋檜」とも呼ばれ、ヒノキと同じように建築材や内装材として用いられ、触った時の感触が良い為お椀やお皿などの材料としても人気がある。
また、バイオリンの甲板やオルガンの音響盤、ギターなどの楽器の材料としも優秀な木材だとされている。

その他の用途としては盆栽など観賞用の樹木や、繊維が長いという特徴を持つ為、パルプの材料としての利用があげられる。

色調

材は黄白色、心材は極黄白色と色調が同じで境界が分かりづらい為、辺材と心材は見分けづらい樹種だと言える。


ezomatsu